100年近く前に製造された、スイスの老舗ブランド「CYMA(シーマ)」の手巻き腕時計です。
当時としては非常に珍しいステンレススチールケースを採用
[当時のステンレス]
ステンレススチール自体の発明は1910年代初期(主にイギリス・ドイツで)。
まだ実用化されたばかりで、時計のケースに使われ始めるのは1920年代後半〜1930年代のごく一部でした。
・当時の腕時計ケースは主に銀(シルバー)、真鍮(ブラス)+メッキ、ニッケル合金
などが主流で、ステンレスはまだ「新素材」かつ高級素材扱い。
ステンレスは加工が難しく、特に時計のような精密な部品には当時の技術では扱いにくかったため、採用していたメーカーはごく少数(オメガ・ロンジン・シーマなど一部)。
文字盤には琺瑯(ほうろう)仕上げが施され、100年の時を経ても艶やかです。
[琺瑯文字盤について]
琺瑯文字盤は、金属板の上にガラス質の粉末(エナメル)を高温で焼き付けて作られます。このため100年経っても色あせず、純白で艶のある輝きを保っています。
印刷や塗料では出せない、まるで陶磁器のような深みと透明感が特徴です。
当時は一枚一枚、熟練職人が手作業で焼成。
琺瑯文字盤の時計は高級機や特注モデルにしか採用されなかったのです。
ガラス質ゆえに紫外線や湿気に強く、文字やインデックスがくっきりと残るのも琺瑯ならでは。小さなヒビ(ヘアラインクラック)すらも時の積み重ねを物語る“風格”として愛されます。
[針はブルースチールです]
ブルースチール針(青焼き針)は、時計職人の繊細な温度管理と経験によって生まれる伝統的な工芸技法です。
鋼製の針を約290℃前後で丁寧に加熱し、表面を酸化させて自然に発色させることで、深く澄んだ青色が現れます。
これは塗装やメッキによる着色ではなく、金属そのものの色変化によるものです。
この焼き入れによって生まれる青は、光の角度によって群青から紫がかった色まで表情を変え、まるで生きているかのような美しさを見せます。
[精度]
内部はオーバーホール済み(OH済)で、現在も良好に稼働。(日差1分以内)
ベルトは新品未使用の牛革です。
飾っていたので少し曲がっています。
ぜひご検討よろしくお願いいたします。